介護と仕事の両立日誌

障がいを持つ妻と子と共に生きる日々

脳波検査

2025-07-26 00:39:46
2025-07-26 12:05:05
目次

 子は、「てんかん」の専門医がいる病院に通っており、定期的に脳波の検査を受けています。てんかんとは、脳神経の電気信号が乱れる病気なので、脳波の波形が落ち着いているかどうかを定期的に確認することが大切です。

 先日、脳波検査のために、妻と子と私で病院へ行きました。脳波検査では、寝ているときの脳波、起きているときの脳波及び光を当てているときの脳波などを検査します。検査室という小さい部屋にベットがあり、そこで検査を行うのですが、検査はスムーズに行われても1時間30分以上はかかります。子は一人で検査を受けるのが難しいため、保護者が付き添う必要があるのですが、妻は暗い部屋や狭い部屋に強い恐怖を感じる(閉じ込められているような感覚になるそうです)ため、脳波の検査の際はいつも私が子に付き添います。

 妻は、病気や障がいの影響もあって、一人で外出することがほとんどできません。また、体調が悪いときなどは一人で家で過ごすのもつらい状態です。信頼できる人と一緒に過ごすことで安心できるため、私と妻は一緒に過ごすことが必然的に多くなります。脳波検査のときには、妻は待合室で一人で待っていたのですが、時間が経つにつれて待つこともつらくなってしまい、体調が悪くなってしまいました。

 脳波検査は無事に終わりましたが、検査後は、妻が自身に対して「どうして私は、こんなこともできないのだろう。」と、悲しそうにしていました。「夫と一緒にいないと生活できない」と言うと、「甘え」だと思う人も多いかもしれません。しかし、そのことで一番悩んでいるのは妻自身です。妻は日頃から、常に悩みながら生きてきました。私が勤め人だった頃は体調不良の妻を支えるために仕事を休むことも多く、そんなとき妻は「私なんて迷惑をかけるだけだから、いらない存在なんだ。」と繰り返し自己否定をして苦しそうにしていました。

 私は妻のことを信頼しています。私が出勤しなければいけないときに妻が「体調が悪くてつらい」と言うときは、本当に限界まで耐えて耐えてそれでも耐えきれなくて言うのだと思っています。妻が甘えているなどとは微塵も思っていません。

 人は、自分の基準で物事を考えがちです。私も昔はそうでした。私は病気や障がいをもってはいませんし、一人でいても平気な性分なので、妻のつらさが理解できるわけではありません。ただ、私にとってつらくない出来事だからといって、妻にとって同様につらくない出来事とは限りません。昔は、「もう少し我慢できない?」と言ってしまっていましたが、今は「妻がつらいという言葉を漏らすということは相当つらい状態なのだ」と本気で思っています。

この記事を書いた人

なかむらしんご